2 ピアノが上手とは?

ここで、『料理ができる』ということと『料理が上手である』ということについて考えてみたいと思います。

『料理ができる』という状態は、じゃがいもやにんじんなどの食材を識別し、包丁や鍋の使い方に関する知識を得て、材料と道具を使って料理を作ることができるという状態を表しています。

この段階では、料理が上手かどうかということに関してはわかりません。

砂糖を入れるところに塩を入れたり、材料にしっかりと火が通っていなかったりしたとしても、食器に盛り付けてしまえば、料理と呼ぶことができます。

では、私達が『あの人は料理が上手だね』と言う時には、どのような状態を指して、そのように言うのでしょう。

料理の手際、出来上がった料理の盛り付け方はもちろんのこと、実際に料理を口の中に運び、その味がおいしいと感じられたときに、初めて『あの人は料理が上手だね』と言うのではないでしょうか。

このように、『料理ができる』ということと『料理が上手である』ということは、全く異なった状態を表します。

それでは、『ピアノが上手である』という状態は、どのような状態を表すのでしょうか。

指が鍵盤上をものすごい速さで動き回っていたら、それで『ピアノが上手である』ということになるのであれば、ピアノを習う必要性はゼロです。

なぜなら、ピアノの鍵盤上で、適当にものすごい速さで指を動かせば、それで十分だからです。

ですから、指が鍵盤上で動いたからと言って、即『ピアノが上手である』ということにはなりません。

では、楽譜に記された音高どおりに間違いなく弾きとおすことができれば『ピアノが上手である』ということになるのでしょうか。

楽譜に記された音高どおりに間違いなく弾くことができれば、音楽としての体裁はできあがります。

しかし、料理において材料を包丁で切ってゆでるだけでは、おいしい料理とは言えないのと同じように、ピアノにおいても楽譜通りに弾いただけではおいしい演奏にはなりません。

そこには『味付け』が必要になります。

料理同様、ピアノにおいても、おいしい味付けのできた音楽を演奏することができてこそ、『ピアノが上手である』ということになるのではないでしょうか。

料理をする時に味見をするように、ピアノを弾くときには演奏の味見が必要になります。

この演奏の味見こそ、自分が出した音に対して注意を払うということに他なりません。

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